「街路事業におけるストック効果の発現について」
対象:TOS事業検討部会・部会員都市(21都市) 平成29年1月、平成30年1月アンケート実施
対 象 事 業 名 |
都市名 |
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札幌市 |
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仙台市 |
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仙台市 |
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千葉市 |
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横浜市 |
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横浜市 |
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川崎市 |
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川崎市 |
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川崎市 |
相模原市 |
新潟市 |
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新潟市 |
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静岡市 |
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浜松市 |
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名古屋市 |
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名古屋市 |
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大阪市 |
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大阪市 |
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大阪市 |
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大阪市 |
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大阪市 |
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堺市 |
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神戸市 |
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神戸市 |
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明石市 |
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岡山市 |
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広島市 |
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北九州市 |
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北九州市 |
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福岡市 |
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熊本市 |
札幌駅前通地下歩行空間整備事業は、札幌駅周辺地区と大通地区とを地下歩道でつなげることにより、二極化している都心商業圏の回遊性を高め、四季を通じて安全で快適な歩行空間を確保するものである。
また、沿道ビルとの地下接続や多様な活用を行なうことにより、人々が憩いを楽しめる空間を創出し、都心全体の魅力と活力の向上を図る。
開通延長約520mのうち、国道区間約160mを国土交通省北海道開発局が、市道区間約360mを札幌市が整備した。
@移動時における安全性の向上
人対車両の事故件数開通前11件→開通後2件
A1)都心部発着の地下鉄乗車人員
開通前16.7万人/日→開通後17.7万人/日
2)都心部来訪頻度(積雪期)
開通1年後27%→開通5年後43%
B1)沿線の事業所数
開通前(H18)1,233事業所→開通後(H24)1,309事業所
2)地価の上昇
開通前(H22)2,350千円/u→開通後(H26)2,600千円/u
(1)幅広い効果の把握 : アンケートの活用
(2)誰にでもわかりやすい伝え方 : アンケート結果をHPに掲載
(都)南小泉茂庭線は、本市の骨格幹線道路の一部を担い,本市東部に位置する国道4号から西部の市境までを繋ぐ全長約15kmの道路である。このうち、宮沢橋工区の整備により、現在事業中の宮沢根白石線(舟丁工区及び南鍛治町工区)と南小泉茂庭線の既整備区間が接続されることとなり、本市西部からJR仙台駅へのアクセス性が向上し、公共交通の利用促進が図られるとともに、国道45号や既整備の都市計画道路を経て本市東部へ至る道路ネットワークが形成されることから、交流・物流にも大きく寄与するものである。
さらに、当該工区の整備により都心部への通過交通の流入が抑制されれば,イベント開催時における道路使用等が容易になり,さらには,車線削減など道路空間の再構成の検討も可能になると考えられることから,道路空間の利活用やより快適な道路空間の創出にもつながる事業となっている。
@1)事業個所は国の事故ゼロプランの事故危険個所に該当
平成22年〜26年 宮沢橋交差点 事故件数13件
2)安全で快適な通行空間の創出
既存の橋梁の歩道は狭いため,新橋の整備により安全・快適性が向上
A1)本市西部から仙台医療センターへのアクセスが約1分短縮
2)渋滞の解消等により,仙台市内の温室効果ガスが676t-CO2/年削減
B生産性向上効果(流通・交通の活性化,需要の増加)
1)整備により,旅行速度16⇒30km/h,混雑度2.8⇒1.2に改善
2)公共空間を利用したイベントの開催など,まちの賑わい創出を後押し
東北自動車道は,東北地方の大動脈として重要な機能を果たしており,宮城県を縦貫している高速自動車道である。対象箇所である泉PAは仙台市北部に位置しており,当該箇所へのスマートIC整備により,周辺住民の利便性向上,周辺道路の混雑緩和,周辺企業の物流効率向上などが期待されることから,東日本高速道路鞄凾フ関係者と地区協議会を立ち上げ,事業を実施したものである。
事業は,平成17年度から平成18年度の社会実験を経て,平成19年4月1日より本格導入されている。泉PAスマートICの整備により,当初から想定されていた利便性向上や混雑緩和といった効果に加えて,スマートICからのアクセス性の良さを見込んだアウトレットモールの進出が図られるなど,様々な効果が発現しているところである。
@1)周辺道路の混雑緩和により生活の利便性が向上
・周辺道路の混雑が緩和
・泉PAスマートICの利用者の95%以上が移動時間の短縮を実感
A1)泉エリアから仙台港エリア,仙台空港エリアへのアクセスが向上
・どちらのエリアへも移動時間が約10分短縮
2)周辺企業の物流が向上
・事業者ヒアリングにより,輸送時間短縮に加え,輸送コスト低減を把握
3)周辺にアウトレットモールが進出するなど生産が増加
・アウトレットモール進出前後でスマートIC出入交通量が3倍に増加
新港横戸町線は、平成4年度に千葉中環状道路を構成する路線に位置付けられ、平成7年度に地域高規格道路の整備区間に指定された都市計画道路で、事業延長は臨海部(美浜区幸町)から内陸部(稲毛区穴川)までの2.63km、幅員構成は本線4車線、副道2車線となり、平成22年に本線部、平成24年度に副道部が供用開始され、平成26年度に緑地整備が完了した。
新港横戸町線は、臨海部と内陸部の連絡を強化し、千葉都心部への通過交通車両の流入を抑制し、渋滞緩和を図るとともに、周辺道路の交通を受け持つことで、交通環境の改善や事故防止を図ることを目的に整備された。
@当該路線が緊急輸送道路の2次路線に指定され、1次路線間を繋ぐことで代替機能も確保。
A市域から千葉県救急医療センター(第三次救急医療センター)および千葉市立海浜病院への搬送時間の平均値が2分短縮(35分→33分)
B食品工業団地を中心に製造・運輸業等が集積している新港地区工業団地の製造品出荷額が開通後約200億円増加。新たに八千代・柏方面と幹線道路で結ばれたため、新港地区の商業施設・従事者数についても増加。
本路線は、横浜市金沢区六浦町(かなざわくむつうらちょう)の国道16号線から青葉区鉄町(あおばくくろがねちょう)の都市計画道路横浜上麻生線(よこはまかみあさお)に至る環状道路で、本市都心部へ集中する交通の分散化を図り、円滑な交通流を確保する本市幹線道路網の骨格を形成する道路の1つであり、本郷小学校の通学路(緊急合同点検対策時箇所)になっており、歩道、車道とも狭小で危険な状況である。さらに、周辺には桂台小学校と公田小学校があり、本路線の渋滞を回避する車両が付近の通学路に迂回するなど危険な状態となっている。
当該地区の整備により、本郷小学校の通学路の歩道を確保できると共に、周辺通学路に流入する通過車両を抑制できるため、歩行者・自転車の安全性の向上が図られる。
また、本路線は「横浜市防災計画(震災対策編)」に基づき「地震防災戦略」に位置付けており、都市交通の円滑化、災害時の避難路、緊急輸送路の整備を図る。
@渋滞の解消 渋滞長 平日最大300m → 0m
A所要時間の短縮 約900mの通過時間 5分半→約2分半
3分短縮
(1)幅広い効果の把握 : 利用事業者(消防署、バス事業者)から整備後の感想を意見として取りまとめて公表
高速横浜環状北西線(以下、「北西線」という。)は、東名高速道路(横浜青葉IC)と第三京浜道路(港北IC)を結ぶ延長約7.1kmの自動車専用道路である。平成29年3月開通の首都高速神奈川7号横浜北線と一体となり、横浜都心・湾岸エリアと東名高速道路との連絡を強化することで、横浜港の国際競争力の強化や災害時における迅速な輸送路の確保、保土ケ谷バイパス等の混雑緩和、交通環境の改善等を図る。
@市北西部と横浜都心・湾岸エリアとの連絡が強化
例)東名高速←→大黒ふ頭 : 保土ケ谷BP経由約40〜60分
→北西線・北線経由約20分(約20〜40分短縮)
A保土ケ谷BP等の混雑緩和による大気環境の改善
B都市への交通の適切な分散導入による交通の円滑化及び物流の効率化を実現することで、民間の投資を喚起
(1)誰にでも分かりやすい伝え方 : 各種イベントでのPR
都市計画道路菅早野線は、川崎・横浜を結ぶ主要地方道横浜上麻生線から分岐し、麻生区・多摩区を南北に貫いて多摩川に至る、横断方向の軸である都市計画道路世田谷町田線の機能を補完する総延長約9,040mの路線である。
白山工区は、川崎市麻生区内の延長約672mの区間であり、当該道路を整備することで、市内交通の円滑化や歩行者等の安全かつ円滑な通行の確保を図るとともに、新百合ヶ丘駅周辺地区や東名高速道路の横浜青葉ICへのアクセス向上に寄与するものである。
@抜け道として利用されていた生活道路の交通量が3割〜10割程度減少
A新たな路線バスルートの創設
B新百合ヶ丘駅や東名川崎ICへのアクセス性向上
※アンケート調査結果
(1)幅広い効果の把握 : アンケート調査
川崎市建設緑政局では、市域の幹線道路整備に伴うストック効果を広く市民の方に周知するため、添付資料のリーフレットを作成し、配布している。
平成28年2月に第1号(初版)を作成しているが、今後、事業の進捗に応じて第2号以降も作成し、配布する予定である。
@災害時の代替確保(尻手黒川線)
死傷事故率の減少 208件 → 96件/億台km
A低騒音舗装の整備 65km → 97km
拠点地区内の幹線道路整備率 69.8% → 76.2%
B市内の主要駅や主要ICへのアクセス性向上
(1)誰にでも分かりやすい伝え方 : 各種イベントでのPR
本事業は、JR南武線、東急田園都市線が交差する、本市で主要なターミナル駅である溝口駅の南口において、限られた公共スペースに、バスバースやバスプール、タクシーのりば等を機能的に配置し、交通結節機能の強化及び利便性の向上を図るとともに、安全・安心で快適な歩行空間の整備を行った。
また、環境に配慮した取組みとして、植栽による緑化に加え、バスシェルター上部に太陽光発電システムの設置、太陽光パネルと蓄電池付のエコ街灯の設置を行った。また、ヒートアイランド対策として車道部に遮熱性舗装を、歩道部に透水機能と保水機能を有する平板ブロックを導入、シンボル的なオブジェとして、太陽光パネル付の時計塔の設置を行った。
@太陽光パネルと蓄電池付のエコ街灯の設置により、災害等による停電
時でも点灯が可能。
A溝口駅南口広場を出発する平日1日のバス本数の増加
整備前:約420本 → 整備後:約640本
A太陽光パネルによる電力を地下駐輪場や南北自由通路に活用し、CO2排出を抑制。
県道52号相模原町田は、圏央道相模原愛川ICと国道16号を結ぶ主要幹線道路であり、沿線には、災害拠点病院や工業団地が立地している。
本道路の麻溝小学校入口交差点から西大沼4丁目交差点の約4.0kmの区間を拡幅することにより、沿線の工業団地、病院等への交通集中による渋滞解消の他、産業拠点と圏央道を結ぶことによって、アクセス性向上による生産拡大、事業所増設による雇用増大が期待されます。
@南区に進出する企業の総投資額が年々増加
STEP50(※)認定企業の総投資額(南区)H28年度 438億円(H23年度比で4割増)
※さがみはら産業集積促進事業(Sagamihara Tomorrow Expansion Project)…相模原市の今後の50年を見据えて、明日の発展・飛躍に向けた歩み(STEP)としていくための取組
(1)幅広い効果の把握 : 統計情報の活用
主要地方道新潟中央環状線は、新潟市北区にある新潟東港を起点とし江南区、南区、西区及び西蒲区までを結び、市中心部と各区の地域拠点などが互いに交流・連携する多核連携型の新潟都市圏を環状に連絡する全体延長45kmの主要幹線道路である。
主要地方道新潟中央環状線を整備することで、
・都心アクセス・地域拠点間の連携と強靭化
・救急・救命・救助活動の30分圏域を拡大
・新たな物流軸の構築、地域の活性化、成長産業の育成を支援 等
を図るものである。
@救急・救命・救助活動の30分圏域を拡大
整備前:面積63%、人口86% ⇒ 整備後:面積78%、人口93%
A流通・交通の活性化
例)漆山企業団地(西蒲区) ⇔ 東港工業団地(北区)
整備前:88分 ⇒ 整備後:63分
(1)幅広い効果の把握 : 統計情報の活用
(2)誰にでも分かりやすい伝え方へ : ストック効果のパネル展実施
当道路は、新潟市の陸の玄関口であるJR新潟駅の南口広場に近接し,都市計画道路新潟鳥屋野線から都市計画道路明石紫竹山線を結ぶ都市計画道路である。 また,街路樹のケヤキが大きく育っていることから「けやき通り」との愛称を持ち,地元商店街等が中心となって,毎年末から年始にかけてライトアップする「NIIGATA光のページェント」が催されるなど広く市民に親しまれている道路である。
当事業は,歩行環境の改善及びケヤキによる歩道の根上り対策のため,車道を含めた道路の横断構成を見直し,安全で快適な環境を創出することを目的に道路改良整備を行ったものである。
@歩行環境を改善し、まち歩きを推進
(1)誰にでも分かりやすい伝え方へ : 区域住民や団体と協働してまち歩きイベントを実施
都市計画道路下大谷線は総合計画、総合交通計画に位置付けられているICアクセス道路の一部を担う道路で、東名高速道路と新東名高速道路、150号バイパスをつなく全長約11km、4車線の主要幹線道路である。静岡市で事業を推進している。
都市計画道路下大谷線が整備されると、周辺地域における高速道路利用の利便性の向上や一般道の交通混雑が大幅に緩和されるなど、社会経済活動の活性化に大きく寄与するものと期待されている。
@IC〜三保松原 静岡IC・清水IC〜25分→静岡東スマートIC〜21分(4分短
縮)
A企業立地面積 0ha→16.8ha
(1)幅広い効果の把握 : 様々なデータの活用
一般国道362号は、愛知県豊川市を起点に静岡市に至る路線で、浜松市北部を横断する主要な幹線道路である。また、静岡県の第2次緊急輸送路に指定されており、災害時にも重要な役割を果たす道路である。
当該バイパス区間は、(都)中瀬都田線に位置づけられているとともに、現在、市が整備を進めている“第三都田地区工業団地”へのアクセス道路となることから、工業団地整備と連携した道路整備により、地域産業の振興と雇用の創出を図る。
なお、第三都田地区工業団地は、平成28年度から一部分譲開始し、平成30年度から一部操業開始が予定されている。
@1)工業団地への企業進出の促進・雇用の創出
2)物流ネットワークの強化
本事業は、一般国道302号(国土交通省)の整備に合わせ、名古屋鉄道瀬戸線の小幡駅から大森・金城学院前駅付近約1.9kmにおいて、鉄道を高架化するものである。これにより、9箇所の踏切を除却する。
(都)守山本通線は、市北部と瀬戸市を結び、国道302号と交差する幹線街路であり、第一次緊急輸送道路に指定されている。また、本路線及び国道302号と鉄道が交差する2箇所の踏切は、交通量が多く、遮断時間が長いことから、ボトルネック踏切として緊急対策踏切(旧法)に指定されている。
本事業により、踏切事故の解消や道路交通の円滑化とともに、分断された市街地の一体化による都市の活性化が期待できる。
@踏切を除却することにより、踏切事故が解消される
A1)踏切事故の解消により、鉄道の安定的な運行が確保される
2)鉄道で分断された市街地の一体化により、駅周辺の魅力向上による賑わいが創出されることが期待される
名鉄瀬戸線乗車人数 : 過去10年間で10%増
B踏切による渋滞の解消(踏切遮断時間)
25分/時間→0(守山本通線)
27分/時間→0(一般国道302号)
(1)幅広い効果の把握 : 整備計画の事業評価により、評価手法を検討
本市では、近年、エリアマネジメントの機運が高まり、平成28年度から地元主体による、道路空間を活用した都心部の賑わいづくりの取り組みが社会実験として実施されている。
平成28年4月から、都心部の栄3丁目を中心に活動している栄ミナミエリアマネジメント社会実験協議会が、歩道空間7ヶ所にデジタルサイネージを設置する社会実験に取り組んでいる。このデジタルサイネージは2面の表示板の片面を広告版として広告収入を得て、将来のエリアマネジメントの原資とすることを目指すとともに、もう1面に地図や地域情報を表示して地域の回遊性や来訪者の快適性の向上を目指すものである。
平成28年10月から、シェアサイクル事業の社会実験に取り組んでおり、現在、ポートは3ヶ所に設置され、そのうち2ヶ所が歩道上に設置されている。平成28年7月から、一部歩道区間で有料駐輪場事業の社会実験にも取り組んでいる。栄地区においては、放置自転車が大きな問題となっており、シェアサイクルの導入により地域の回遊性の向上とともに自転車の総量を減らし、有料駐輪場の導入とあわせ、歩道空間の快適性を向上させることや、有料駐輪場の設置により乱雑に置かれた自転車をきれいに駐輪させることでまちの景観の向上が期待される。
@まちなかの歩行者通行量の増加、放置自転車数の減少、所有自転車数の減少、来訪者・観光客数の増加
(1)幅広い効果の把握:利用者や街頭アンケート調査の実施
阪急電鉄京都線・千里線連続立体交差事業は、京都線約3.3km、千里線約3.8kmについて、鉄道を現在の地上から高架化することにより、17箇所の踏切を除却し、道路交通の円滑化、踏切事故の解消を図るとともに、鉄道により分断されている市街地の一体化を図るものである。
また、土地区画整理事業との一体整備により、密集市街地の解消と併せて、駅前広場や商店街の再編を行いまちづくりを推進する。
@踏切遮断交通の解消
現状 :7.4時間※ → 高架化後:解消 ※踏切17箇所の平均遮断時間
A新大阪駅へのアクセス改善
現状:10分 → 高架化後:3分
(1)誰にでもわかりやすい伝え方へ:近隣小学校等への出前講座を実施及びHPへ「事業だより」を掲載
JR東海道線支線地下化事業は、うめきた2期区域のまちづくりの前提となる基盤整備事業で、大阪駅北付近約2.4kmにおいて鉄道を地下化することにより、1箇所の踏切除却と2箇所の桁下制限高さ不足既設立体交差道路の大規模改築を行い、都市内交通の円滑化を図るとともに、分断された市街地の一体化による都市の活性化を図るものである。
また、一体的に整備される新駅設置事業により、うめきた地区と関西国際空港間のアクセスの向上を図り、国際競争力を有する地域の形成をめざす。
@関西空港へのアクセス向上
現状:66分 → 新駅開業後:46分
JR阪和線連続立体交差事業は、鉄道を現在の地上から高架化することにより、12箇所の踏切を除却し、踏切内で発生していた深刻な交通渋滞や踏切事故を解消し、交通環境の改善や高架下の有効利用などを含めた地域の活性化に寄与するものである。
@道路機能の回復
幹線道路の機能回復及び生活道路の交通量の削減
A渋滞解消によるCo2排出量の削減
高架化により年間2600tを削減
(1)誰にでもわかりやすい伝え方へ :HPにて整備効果のアピール資料を掲載
本路線は、大阪都心部の・業務・商業施設が集積している大阪駅ターミナルの東のエリアに位置する路線である。整備前は、北浜から新御堂筋へアクセスするのに、これまでは迂回していた(右図の赤破線)が、本区間の整備(右図の黄色線)により、大阪都心南部と新御堂筋へのアクセスが強化された。
渋滞交差点である南森町交差点の交通の分散化にも寄与するもの。
@広い幅員をもった都市計画道路が整備されることにより、沿道建物が、木造2階建てから、マンション等に更新。周辺地区(西天満1丁目・3丁目・4丁目)の延床面積が完成前と比べ、約1.2倍へと増加。
その結果、新たな居住者や事業者が増加、周辺地区の人口が完成前に比べ約2.2倍へ。(同時点の大阪市人口伸び率:1.03倍)
A生産性向上効果(流通・交通の活性化)
本区間の供用によって堺筋から新御堂筋のアクセス時間が短縮
(1)幅広い効果の把握 : 統計情報の活用(延床面積・人口)
(2)誰にでも分かりやすい伝え方へ : 「都市計画道路の整備プログラム(平成28年9月)」に掲載し公表
本路線は、大阪市南西部の西成区、阿倍野区を経て平野区の国道25号に至る、市域南部において東西を連絡する幹線道路である。
大阪市地域防災計画において避難路に位置づけられ、「大阪市密集住宅市街地重点整備プログラム(平成26年4月)」でも特に優先的に取り組みが必要な密集市街地(優先地区)における防災骨格を形成する路線に位置付けており、整備によって都市防災性の向上が図られる路線である。
@延焼遮断帯として機能することによる、延焼が防止できる建物資産価値および避難路が新設されることにより、助かる人が増えることによる被害人命価値減少の効果。
A道路整備にともない、沿道の指定容積率を変更することによる沿道の地価上昇効果および建物価値上昇効果。
B競合路線の混雑が緩和、走行速度の上昇効果。
(1)幅広い効果の把握 : 統計情報の活用(世帯数・人口等)
(2)経済分析手法の活用に向けた検討:代替法(上記効果@)
阪神高速道路大和川線は都市再生プロジェクトに位置づけられている「大阪都心部における新たな環状道路」の一部を担う道路で、堺市臨海地区から松原市を連絡する全長約9.9km(堺市施行区間1.6km)、4車線の自動車専用道路である。
本市・大阪府・阪神高速道路鰍フ三者共同で事業を推進している。
大和川線が整備されると、大阪南部地域における高速道路利用の利便性の向上や東西方向一般道の交通混雑が大幅に緩和されるなど、関西都市圏の社会経済活動の活性化に大きく寄与するものと期待されている。
@1)基幹的広域防災拠点直結する支援ルート(松原JCT迄)を形成
一般国道経由45分 → 大和川線経由15分(30分短縮)
2)都心部へ流入している通過交通(約21万台/日)による渋滞緩和
A1)大型物流施設立地数(堺臨海部) 9件(延床面積 約73ha増)
2)松原JCT〜大阪南港間 27分 → 18分(9分短縮)
(1)幅広い効果の把握 : 堺市近隣区域を含めた効果の把握
主要地方道有馬山口線は、西宮市北部から神戸市街地への幹線道路であり、地域住民の生活道路であるとともに、関西の奥座敷とも言われる有馬温泉へのアクセス道路となっている。
このため、従来から行楽シーズンには大阪方面からの観光客の大多数が当路線を利用しており、迂回路もないことから、交通量の増大に伴う渋滞が発生していた。
これらの状況から、沿道住民の安全確保、道路ネットワークの強化による円滑な交通の確保、さらに渋滞の解消による環境負荷の軽減と現道における騒音等の軽減を図るため、兵庫県と連携してバイパスの整備を実施し、平成25年9月に完了した。
@安全安心効果(交通の安全の確保)
2qを超える渋滞長 ⇒ 渋滞長が100m(通過時間52分短縮)
A有馬エリア観光入込客数
平成25年における観光入込客数 166万人(前年比109.2%の増加)
大阪湾岸道路は、関西国際空港から垂水ジャンクションまでの約80qを結び、大阪ベイエリアにおける環状道路を形成し、都市の活力向上や地域間の連携強化を図るなど、神戸のみならず関西経済を支える重要な道路である。
その大阪湾岸道路の六甲アイランド以西の約21q(西伸部)が未整備となっていたが、平成28年度に六甲アイランド北から駒栄区間の約14.5qが国の直轄道路事業で事業化された。
本事業区間が整備されれば、阪神高速神戸線の慢性的な渋滞が解消し、神戸医療産業都市への企業集積の加速や国際戦略港湾阪神港の物流機能強化など、多くの整備効果が期待できる。
@移動時間の短縮
例)神戸市西区(玉津IC)〜神戸港 14分短縮
神戸市西区(玉津IC)〜大阪駅 32分短縮
A生産増加額(国内) 237億円/年(※)
税収効果(国内) 50億円/年(※)
(※)・・・神戸市試算
(1)幅広い効果の把握 : 神戸市近隣区域を含めた効果の把握
(2)経済分析手法の活用に向けた検討 : SCGE分析
山陽電鉄本線(西新町駅付近)連続立体交差事業は、山陽電鉄本線の大蔵谷駅から林崎松江海岸駅間約3.8kmを連続立体交差化する事業です。明石駅を含む大蔵谷駅から明石川間約1.9kmは第1期事業として実施し、平成6年度に完成しています。残る西新町駅を含む明石川から林崎松江海岸駅間約1.9kmの事業を現在実施している。
また、連続立体交差事業にあわせ、高架側道や西新町駅前広場を整備し、地域の活性化や都市機能の向上を図っている。
@1)踏切除却(9箇所)による、交通の円滑化と踏切事故の解消
A1)鉄道(保守基地)跡地を利用した駅前広場の整備により、交通結節機能が向上する
2)西新町駅へのエレベータ設置(3基)、高架側道や駅前広場における誘導ブロック設置など、周辺市街地のバリアフリー化の推進。
3)鉄道(保守基地)跡地への二次救急医療施設(譜久山病院)の誘致
(1)幅広い効果の把握 : 事後評価等における効果の把握
(2)誰にでも分かりやすい伝え方へ : 事業評価のアーカイブ化
JR岡山駅は、1日約15万人が利用する中四国地方有数のターミナル拠点です。しかし、鉄道で分断されたJR岡山駅の西口エリアは、東口エリアと比べて交通結節点としての機能が活かされていないことが課題でした。このため、本市では、駅東西エリアの連携強化や西口エリアでの拠点開発等の取り組みを行うこととし、これまでに、JR岡山駅の東西地域を跨線橋で連絡する都市計画道路下石井岩井線の整備、また、岡山コンベンションセンター及びホテル等を核とした第二種市街地再開発事業などを進めてきた。岡山駅交通結節点改善事業は、こうした取り組みの集大成として、駅東西エリアの連携強化のための岡山駅東西連絡通路と、駅東口の交通広場との機能分担を考慮した岡山駅西口交通広場を整備したものである。
@東西連絡通路
延長117.5m 幅員10.0m
A西口交通広場
広場面積 約13,500m2
乗降場(バス・タクシー・一般車 他)
@岡山市のコンベンションの開催状況の推移
平成19年度 開催件数167件(参加者数121,985人)連絡通路完成
平成22年度 開催件数204件(参加者数118,565人)交通広場完成
平成28年度 開催件数339件(参加者数187,175人)
資料:(公社)おかやま観光コンベンション協会
(中国地区以上の規模で岡山市内で宿泊を伴い参加者が概ね100人以上の大会)
広島市では、都心部からおおむね60キロメートルの圏内にあって、経済面や生活面で深く結びついている23の近隣市町について「200万人広島都市圏構想」を打ち出し、「連携中枢都市圏制度」を活用した施策展開を図っており、この展開を牽引する事業の一つとして、本事業に取り組んでいるところである。
また、市域内においては、広島駅周辺地区と紙屋町・八丁堀を東西の「核」とする「楕円形の都心づくり」を推進しており、陸の玄関としての拠点づくりが求められていることから、広島駅自由通路の整備及びペデストリアンデッキの整備の利便性を兼ね備えた快適な歩行環境の整備により、都心の東の核である広島駅周辺地区における回遊性を高め、一層の「活力とにぎわい」の向上を図ることとしている。
併せて、新幹線口広場の再整備により、交通機能を適正に配置し、広島駅新幹線口の交通混雑の緩和を図るものである。
・平成28年10月 新幹線口ペデストリアンデッキ完成
・平成29年 9月 新幹線口広場完成
・平成29年10月 広島駅自由通路全面供用
@広島駅周辺地区において大規模集合住宅の新築が促進し、人口が増加 6棟(約1,400戸)増加
A1)広島駅の一日平均乗車人員が約7%増加
約69,000人(整備前)⇒約74,000人(整備後)
2)広島駅周辺地区においてホテル客室数が増加し、陸の玄関としての機能が向上 約2,200室⇒約3,700室(約1.7倍に増加)
(1)幅広い効果の把握 : アンケートの活用(満足度調査)
(2)誰にでも分かりやすい伝え方へ : 市政広報誌への掲載、テレビ番組による広報
本路線は、地域高規格道路北九州高速道路の一部を構成するもので、北九州都市高速道路、若戸トンネル、国道3号黒崎バイパスと一体となり、企業進出が進む響灘地区、戸畑臨海部、東田地区等を結ぶ、環状放射型の自動車専用道路ネットワークを形成するものである。
本路線の整備により、環状部のミッシングリンクを解消し、市内各拠点間の連絡強化、速達性・定時性の向上、市街地等の交通混雑の緩和を図ることができる。また、山間部に位置する都市高速が災害等で通行不能になった場合、物資等の緊急輸送ルートとして活用でき、リダンダンシーの確保を図るうえで極めて重要な路線である。
@山間部の都市高速通行不能時のリダンダンシーの確保(災害時の代替ルート確保及び一般道路の混雑緩和)
A1)三次医療機関への速達性が向上(30分到達圏の拡大:12.4km2)
2)排出ガスの削減(削減量 CO2:2,114t/年、NOX:11t/年)
B枝光〜戸畑間 30分→4.5分(25.5分短縮)
(1)幅広い効果の把握:民間企業へのアンケート調査の実施
(2)誰にでもわかりやすい伝え方へ:現場見学の実施
魚町サンロードは小倉都心の商業エリアに位置する延長108m、幅員5.5mのアーケードを持つ道路である。
商店街によるアーケードの撤去をきっかけに、市が道路空間の再編を実施した。
再編計画の策定にあたり、商店街の将来ビジョンや活用イメージとのすり合わせを図るため、市と地域・商店街によるワークショップを開催。
再編後の道路では、地域・商店街で立ち上げたまちづくり団体が国家戦略特区を活用した道路上のオープンカフェ・マルシェを日常的に開催し、まちのにぎわい創出に取り組んでいる。
@歩行者通行量:約3割増
A沿道の店舗数:事業実施前35店 ⇒ 事業実施後45店
(1)幅広い効果の把握 : 交通量調査、沿道店舗の生の声の捕捉
自動車専用道路アイランドシティ線は,福岡高速道路と博多港(アイランドシティ地区)を結ぶ延長2.5km,4車線の自動車専用道路である。
福岡都市高速道路を介して,九州自動車道及び西九州自動車道に直結され,アイランドシティ地区と福岡都市圏や九州各地をつなぐ広域的な道路ネットワークを形成するほか,福岡市の東部地域の混雑緩和や交通の円滑化に寄与する整備効果の高い道路である。
なお,当事業は,福岡北九州高速道路公社による有料道路事業,福岡市による街路事業,九州地方整備局による港湾整備事業の3事業者の合併施行で行っている。
@安全安心効果
渋滞が著しい香椎アイランド線片男佐橋交差点付近の渋滞緩和
A生活の質の向上効果
二次救急医療施設(市立こども病院)へのアクセス向上
B生産性向上効果
博多港(アイランドシティ地区)や新青果市場から福岡都
市高速道路を介し九州自動車道や西九州自動車道と直結し九州・西日本各地へのアクセス向上
九州新幹線の着工を契機とした、熊本駅周辺整備事業。
@熊本駅西土地区画整理事業
熊本駅西口駅前広場を核として交通結節機能を高め、商業を活性化させ、活気があり人にやさしい住みよいまちづくりを行う。
A熊本駅東A地区再開発事業
駅前の顔となる再開発ビルに市の情報交流施設や高層住宅等を整備。
駅前周辺にふさわしいまちなみや、人にやさしいアメニティ空間を形成するとともに、地区施設等の整備を行う。
@世帯数(子育て世代)の増加【H21⇒H29】
(世帯数:1,473⇒2,242)
(小学校:191名⇒240名 保育園:77名⇒90名)
A周辺地域の商業地価上昇【H21⇒H29】
(県熊本西商3:450,000⇒545,000円/u)
(1)幅広い効果の把握 : 統計情報の活用
整理結果 まとめ
特定課題「街路事業におけるストック効果の発現について」
○街路事業におけるストック効果の発現について、21都市中19都市(31事例)から事例報告がありました。
○各都市からの事例では、バイパス等の新規路線整備による交通の円滑化、交通安全の確保、企業立地、物流の促進に関するストック効果発現事例が多く報告されました。
○事例の中には地域と連携して駅や商店街周辺の道路空間の再編に取り組み、歩行者通行量の増加や沿道の店舗数増加等の歩行者の視点に立ったストック効果発現事例も報告され、様々な評価指標により効果の把握に努めていることが確認できました。
○また、「見える化・見せる化」のための取組としては、統計情報やアンケート活用による効果の把握を実施している事例が多く報告されました。
○周知方法としては、事例集の作成やホームページ・広報誌を利用したものが多く報告されたほか、パネル展の実施やまち歩きイベントにより効果をアピールしている事例も報告されました。
人口が減少していく中、厳しい財政制約の下においても経済成長や安全・安心の確保、生活の質の向上を持続的に実現していくためには、ストック効果を最大限に発揮する社会資本整備が求められています。
本部会においては、各都市から幅広いストック効果発現事例を収集し、情報共有することができましたので、今後の街路整備に向けて今回の知見を有効活用し、効果の高い事業への重点化を図っていきたいと考えます。また、把握したストック効果を地域住民、企業等の様々な主体に分かりやすい形で伝えていく、「見える化・見せる化」の推進も図っていき、街路事業の必要性を理解してもらえるよう取り組んでまいります。